白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~
第11章 新たな恋
2週間も過ぎると、
かなりアルバイトに慣れてきた。
「Rie。かなりがんばっているね。
ご褒美に今夜、
君をディナーに招待したいんだ…」
青い瞳に見つめられ、
少しドキッとしてしまった。
もちろん断る理由もないし、
オッケーと即答した。
「よかった。
君にはずいぶんきつく指導したから
嫌われているかと思ったよ」
そう言って笑った。
ジェフが連れて行ってくれたお店は、
ジャズが流れる少し大人びた店だった。
「実は、仕事のご褒美なんてのは、
君を誘い出す口実だったんだ」
「えっ?」
「こんなことを言うと笑われそうだけど・・・
Rie、君が好きなんだ」
唐突な告白だった。
仕事のパートナーとして尊敬はしていたが、
異性として意識したことはなかったので
ビックリしてしまった。
「僕のことをよく知らないと思うんだ。
それは当然だと思う。
僕も仕事をしている君のことしか知らない。
だから、お付き合いをして
お互いをよく知りあおうよ」
え~っ、どうしよう・・
この国では返事はイエスかノーなのだ。
迷った結果・・・「イエス・・・」と答えた。