白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~
第18章 最終章
ねえ理恵ちゃん、毛、生えている?
30年後の大人になった僕は
そんな間抜けな問いかけはしなかった。
でも、直樹の言ったように
理恵ちゃんは、ほんとうにいい匂いがした。
その夜、理恵を自宅へ招いた。
再会を祝して、シャンパンで乾杯をした。
夜も更けた頃、
理恵ちゃんが唐突に切り出した。
「ねっ、あの続きしよっか?」
30年前、理恵の部屋でキスをした。
理恵の母からの電話がかかってこなければ、
あの後、2人は結ばれていた筈だった。
「うん」
2人はベッドに倒れこんだ。
そしてようやく2人は結ばれた。
夢にまでみた理恵の白い身体を
何度も何度も貫いた。
順也・・・愛しているわ
理恵・・・僕も愛しているよ
理恵の喘ぎ声とベッドの軋む音しか
部屋には響いていなかったが
僕たちは心で会話していた。
30年分の思いをこめて理恵を抱いた。
理恵も空白の時間を埋めるように
愛の泉を潤わせた。
理恵・・・理恵・・・もう君を離さない。
理恵はその思いに応えるかのように
僕の背中に爪を立てた。
そして僕は白い雫を
理恵の子宮に浴びせかけた。
完