白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~
第10章 順也と理恵 それぞれの歩む道
「リー、君は日本に
ボーイフレンドいたの?」
「ええ…」
「そう、寂しいね。
じゃあ、俺がアメリカの
ボーイフレンドになるよ」
「えっ?」
そう言って、おでこにキスした。
強引な男。
でもこれがこの国では
当たり前なのかもしれない。
「明日の休日は時間ある?」
「特に用事はないけど・・・」
「じゃあ、デートしよう。
セントラルパークを案内するよ」
雄介はほんとに強引な男だった。
セントラルパークを散歩していると、
さりげなく腰に手をまわし
体を密着させてきた。
「ちょ、ちょっと…」
「ん?どうかした?」
出会ってまだ数日なのに…
そう言うと、時間は関係ないよ、
好きだという気持ちを表現するのに
遠慮はいらないだろ?と言う。
「リーは俺の事を、どう思っているの?」
「まだ、あなたの事よく知らないし・・・
でも、嫌いじゃないわ」
「嫌いじゃないということは、
好きだということだよね」
そう言うと不意にキスされた。
唇を押さえ、驚いていると
「さっきのは、
これからよろしくの挨拶のキス」
そう言って茶目っ気たっぷりにウィンクした。