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雨の降る夜は傍にいて…

第3章 9月の雨(September Rain)

 8 2対2

「商工会青年部の後輩なんですが、今夜の話しをしたら是非同席したいと言うんで…」

「そうですか、始めまして…
 あ、こっちもウチの事務員なんですが、わたしの強力な相棒であり、パートナーである、菅野彩美さん、彩ちゃんです…」
 と、わたしは彩ちゃんを紹介する。

「黒田専務、鈴木専務始めまして、美紀谷社長の所でお世話になってます、菅野彩美です」
 さすがスーパー彩ちゃんである、ちゃんとTPOに応じた硬い挨拶をしてくれた。
 すると黒田、鈴木専務の二人の目が一瞬にして素早く上下し、彩ちゃんの上から下までをチェックしたようである。

 今夜の彩ちゃんは、前途したようにこのボンボン黒田専務をターゲットにする為のセクシー路線のファッションをしてきた。
 黒ベースの巨乳をアピールする胸元をV字にカットされた、ノースリーブの膝丈スカートのワンピースに、深い紫色のショールを羽織っている。
 そして背中もやや広目のV字にカットされ、レースで覆られている、キャバ嬢がお店で着る様なドレスまでとはいわないが、かなりのセクシーワンピースであった。
 更に限りなく透明の黒いストッキングがセクシーさを助長してきていたのだ。
 わたしが見てもドキッとしてしまうほどのセクシーさであった。
 だからこの目の前の二人の男達の目も、心も一瞬にしてガッチリと彩ちゃんのファッションに掴まってしまったようであった。

 対するわたしは深いモスグリーンの開衿襟のノースリーブのブラウスに、同色の七分丈のワイドパンツを履いて、露出をやや抑え気味にしたファッションという、二人対照的な服装といえたのだ。

 今夜はあくまでも彩ちゃんが陰の主役となり、黒田専務の心をガッチリと掴む、これがわたし達の目的なのである…

 対する男性陣、黒田専務側も予告ナシに、しかもゴルフ焼けなのだろうか、真っ黒に日焼けをし、見るからに遊び人風の後輩を連れてきて、2対1でわたしを包囲し、口説き落とそうと画策してきたようなのであったのだ。     
 だが、そんな黒田専務の画策は早くも崩れ、彩ちゃんの参加により2対2となった、いや、それよりも最初からこのすっかりとスーパー彩ちゃんのセクシーさに度肝を抜かれて、出鼻を挫かれてしまった感があった。

 そして彩ちゃんはさすがにスーパー彩ちゃんなのであったのだ…

 




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