雨の降る夜は傍にいて…
第7章 五月雨(さみだれ)
13 マジック
その鏡に映っているわたしは、わたしではなく、別人であった…
「うわぁ…
まるで…変身だわ…」
思わず、そんな言葉が漏れてしまう…
そう、わたしはこの21歳になったの大学3年までの人生の中で、ここまでの、いや、ちゃんとした化粧をした経験が無かったのである。
いや、口紅を数回塗った事しか記憶が無いのだ…
だから、余計に鏡に映っているその別人の様に変身したわたし自身の顔を見て驚いていた、いや、衝撃かもしれない。
こんなに変わるのか…
「お奇麗ですよ…」
すると、化粧を施してくれた美容部員のお姉さんがそう言ってきた。
「うん…、本当に綺麗になったわぁ…」
そして、真理さんもそう囁いてきたのである。
本当に、目の前の鏡に映っているわたし自身はまるで別人のわたしであった…
「色々教えてあげますよ…」
すると、ボーっと鏡を見つめているわたしに、美容部員のお姉さんはそう言ってきて一から化粧の仕方、そして落とし方までを丁寧にレクチャーしてくれたのである。
「お化粧はね、する事よりも落とす事、いかに綺麗に落として、肌を守る事が大切なのよ…」
そんな意外な事まで丁寧に教えてくれたのだ。
そしてわたしはその日から、化粧というマジックにもハマっていく…
そう、マジックであったのだ。
化粧を施すという事…
お洒落をするという事…
それまでバスケットしか知らない、いや、して来なかったわたしにとっては、まるで別人に変身できるマジックであった…
そしてお化粧をして、流行りのファッションを身に纏い、街に出る…
と、いう事は、このバスケットの再起不能という絶望的な苦悩を、暫く忘れさせてくれたのである。
「じゃあ、ゆり…」
「え…」
「次は男ね…」
「え…」
「男よ…
オ…ト…コ…」
真理さんは、そうわたしに囁いてきたのだ…
その鏡に映っているわたしは、わたしではなく、別人であった…
「うわぁ…
まるで…変身だわ…」
思わず、そんな言葉が漏れてしまう…
そう、わたしはこの21歳になったの大学3年までの人生の中で、ここまでの、いや、ちゃんとした化粧をした経験が無かったのである。
いや、口紅を数回塗った事しか記憶が無いのだ…
だから、余計に鏡に映っているその別人の様に変身したわたし自身の顔を見て驚いていた、いや、衝撃かもしれない。
こんなに変わるのか…
「お奇麗ですよ…」
すると、化粧を施してくれた美容部員のお姉さんがそう言ってきた。
「うん…、本当に綺麗になったわぁ…」
そして、真理さんもそう囁いてきたのである。
本当に、目の前の鏡に映っているわたし自身はまるで別人のわたしであった…
「色々教えてあげますよ…」
すると、ボーっと鏡を見つめているわたしに、美容部員のお姉さんはそう言ってきて一から化粧の仕方、そして落とし方までを丁寧にレクチャーしてくれたのである。
「お化粧はね、する事よりも落とす事、いかに綺麗に落として、肌を守る事が大切なのよ…」
そんな意外な事まで丁寧に教えてくれたのだ。
そしてわたしはその日から、化粧というマジックにもハマっていく…
そう、マジックであったのだ。
化粧を施すという事…
お洒落をするという事…
それまでバスケットしか知らない、いや、して来なかったわたしにとっては、まるで別人に変身できるマジックであった…
そしてお化粧をして、流行りのファッションを身に纏い、街に出る…
と、いう事は、このバスケットの再起不能という絶望的な苦悩を、暫く忘れさせてくれたのである。
「じゃあ、ゆり…」
「え…」
「次は男ね…」
「え…」
「男よ…
オ…ト…コ…」
真理さんは、そうわたしに囁いてきたのだ…