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雨の降る夜は傍にいて…

第4章 台風12号MUIFA(ムイファ)

 37 精飲

「あっ……っくうっ…」

 あうっ、浩司ぃ、愛してるっ…

 ビクッ、ドクッ、ドクドク…

 浩司の怒張が口の中で、激しく震えながら射精をする。

「うぐ、むむう…」
 わたしはその彼の熱い射精を一滴たりとも溢したくはなく、必死に口で受け止めていく。

「う、む、む…」

 ゴクリ…
 わたしは彼の精液を飲み込んだ。

「あ、おい、ゆ、ゆりっ…」
 わたしが精液を飲み込んだのに浩司が気付き、慌てて声を掛けてきた。

「……ふうぅ…」

「おい…」

「いいの…」

 そう、いいのだ… 

 愛しい男のモノなのだ…

 もったいなくて吐き出す事などできるはずがない…

 そんな想いを目に込めて、彼を、浩司を見つめる。

「ゆ、ゆり…」
 するとそんなわたしの想いが伝わったのか、わたしの名前を呟き、抱き寄せ、キスをしようとしてきたのだ。

「あ、ダメよ、飲んだばかりだから…」

 そう、まだ口の中には彼自身の精液の名残りがある…

「構わないよ」
 そう囁いて、わたしの唇を吸ってきた。

 ああ…
 そのキスに、わたしの心は震えてしまう。

 ああ、浩司ぃ…

 愛してる…

 もう離れない…

 離れたくない…

 そう心の中で叫ぶのだが、怖くて言葉には出せない。

「ふうぅ…」
 浩司が唇を離し、わたしの目を見つめ、吐息を漏らす。
 そして、口を開く。

「ゆり…」

 うん…

「ほ、本当に、今、フリーなのか…」

 わたしはコクリと頷いた。

 えっ、な、なに…

 やだ、期待しちゃうじゃない…

 ドキドキドキドキドキドキドキドキ…

 一気に心が昂ぶって、高鳴ってきた。

「そうか…
 フリーなんだ…」

 うん…

「そうか…」

 ドキドキドキドキドキドキドキドキ…

 そしてわたしのカラダを抱き寄せてくる。

 あ、ああ…

 ドキドキドキドキドキドキドキドキ…

「そうか…
 じゃあ…………るか……」

 えっ、な、なに、聞こえなかった…

「えっ…」

「また……俺の…女になるか…」

 今度は、はっきり聞こえた…






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