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雨の降る夜は傍にいて…

第2章 春雷

 59 7年分の…

「あっ、う、ううっ」
 啓ちゃんの喘ぎ声は、快感から限界の呻きに変わった。

 もう射精るのだろう…

「あ、あん、も、もう、なの…」
 そして彼の昂ぶりを感じわたし自身も快感に喘ぎながら訊いたのだ。

「あ、あ、う、うん…」
 そう返事するのが精一杯であったようであった。

「あ、んん、いいわ、いいよ、そのまま…」

 初めては、最初は、わたしの中でイカせてあげたい…

 わたしは今夜はそう決めていたのだ。


「えっ、あっ…」
 驚いた顔をして、必死に我慢しながらわたしを見てくる。

「ん、い、いいよ、中で、あ、出して…」
 そう言ったのと同時であった、啓ちゃんは我慢の限界を超えたようだ。


「あっ、うっ、っくっ…」

 全身を震わせ、わたしにしがみ付くように抱き締めながら、啓ちゃんはわたしの中におそらくは7年間の想いが込もった熱いモノを噴き出してきたのである。

 ドクンッ、ビクッ、ビクッ…

 2度、3度と啓ちゃん自身ががわたしの中で快感の震えを起こしてくる。
 そして初めての快感のせいなのであろうか、ぐったりと力が抜けたかのようになっていた。

「あぁ、ふうぅ…」
 そして啓ちゃんはゆっくりとわたし自身から引き抜き、そう吐息を漏らしながら横になり射精の余韻に浸ってくる。

「そんなに気持ちよかったの…」
 そのまるで放心状態のようになっている様子を見て、わたしはそう訊いてみた。

「あ、いや、うん…
     すごく気持ちよかった…」
 やや潤んだ目をして云ってきたのだ。

「そう、じゃあ、よかったわ…」
 わたしはその言葉が心から嬉しかったのだ。

 なぜならば、その啓ちゃんの言葉はわたしにとっては…



 

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