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恋人は社長令嬢

第5章 我慢するのはお互い様

戻ってきた那々香は、放心状態。

「何なんだよ!おまえらは、二人そろって!!」

至がカツを入れようにも、那々香と瞬には、効きそうにもなかった。

「あ~あ……自家用ジェット、欲しい…」

那々香のセリフに、至と瞬は、目が釘付けになった。

「買えるわけねえだろう。」

「あら、あんな物……安い物なら、3億で買えるわよ。」

言って、那々香は飛び起きた。

案の定、二人は違う目で自分を見ている。


「あっ……いや……あったらいいなあ…って話よ!!」

「だよな。」

「そうじゃなかったら、松森の金銭感覚、疑うところだったよ。」


まずい。

この二人には、まだ自分が会社の娘だという事を、知られてはいけない。


「ったく……おまえらの話聞いてると、俺がよく会う子は、普通の女の子で、ホントよかったよ。」

「ええ!誰?誰?」

こういう話に、一番に乗るのは、那々香だ。

「内緒!おまえらに会わせたら、汚れが移る。」

「何だと~。」

瞬は楽しそうに、至とじゃれてる。


この時、那々香は、至が言ってる女の子が、埜々香だという事は、これっぽっちも知らなかった。

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