テキストサイズ

恋人は社長令嬢

第5章 我慢するのはお互い様

なんだか亮介は、ソワソワしている。

「ううん。全然、構わないけれど、何かあったの?」

この様子じゃあ、ゆっくり話もできなさそうだ。

「実はさ、俺、今から大阪に出張になったんだ。」

「出張?いつまで?」

「今月いっぱい。現地でトラブルがあってさ。今から、もう行かなければいけないんだ。」

「今から!!」

「しばらく会えなくなるけど、那々香なら大丈夫だよな。」

「えっ…」

そりゃあ、出張を疑ってるわけじゃないけど……

2週間も放っておかれるなんて、耐えられない!!


「ああ…うん。私は…大丈夫…」

あ~あ、言っちゃった。

「じゃあ、俺、もう用意しなきゃいけないから。」

それだけを言うと、亮介は階段を降り始めた。

「亮介さん!!」

呼びとめる那々香に、亮介は真顔で言った。

「寂しいからって、浮気するなよ。那々香。」

「はっ…ははは…」


亮介さん。

それは、女のセリフじゃないでしょうか。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ