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恋人は社長令嬢

第7章 金より地位より欲しいモノ

その瞬間、亮介の頬に、平手打ちが飛んできた。

「黙って聞いてれば!」

こうなると、手が付けられないような気がする。

だってそうだ。

今まで信頼して、一緒に生きてきた夫が、自分の前で浮気相手に、プロポーズしてるのだから。

「もう、いらないわよ!こんな人!!いつまで経っても出世しないし…家にいても、ロクに役に立たないで…子供の面倒だって、仕事のせいにして、全然見てくれないんだから!!」

「有子!」

尚も、引っ張って行こうとする亮介。


その二人の前に、那々香は倒れるように、膝を付いた。

「でしたら奥様。ご主人を、私に下さい。」

「愛人のくせに!図々しいわよ!!」

「亮介さんは、役立たずな人間じゃありません!」

「何よ、それ!」

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