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恋人は社長令嬢

第7章 金より地位より欲しいモノ

「亮介さんは、ご家族の為に、一生懸命働いてらっしゃいました!」

「だから!!」

「亮介さんは!!……本当に、奥様の事を、お子さん達の事を……愛していらっしゃいました。」

那々香の瞳からは、止めどなく、涙が流れていた。


「離れられないのは、私の方です。私が、ご主人を奪ったんです。だから、ご主人の事…どうか、許してあげて下さい。」

「那々香……」

既に亮介の手は、奥さんから放れていた。

「大体何で……うちの主人なの?あなたみたいに、若くて綺麗な人なら、他の人を見つけられたじゃない?」

「他の人じゃあ、ダメなんです。」

「この人、あなたと一緒になるって言ってるけど、慰謝料や養育費払ってもらうから、お金なんて無くなるわよ。」

「……構いません。」

「このまま、主人と同じ会社で、働けるとでも思ってるわけ!?」

「分かっています。」

「それでも、いいって言うの!」

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