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恋人は社長令嬢

第8章 異性の友達ってヤツ

1時間後に、亮介は出てきた。

「亮介さん……」

亮介は、那々香に気付くと、すぐに来てくれた。

そして、開口一番にこう言った。

「北海道支社に、異動になった。」

「……えっ」

「2、3日中には、移動になるから。そのつもりで…」

那々香が入社してから、ずっと課長の席に座っていた亮介。

いることが、当たり前だと思っていた亮介。

その人が、もうすぐいなくなってしまう。


「私を……置いて行くの?」

那々香は、亮介の腕にしがみついた。


「私を…守るって言ってくれたのは、ウソだったの?」

ずっと一緒にいられる。

そう思ったのに。

「那々香。君は…松森社長のご令嬢なんだってね。」

那々香は、驚いて顔を上げた。

「同じ名字だから、ひょっとしたらと、考えた事はあったけれど……」

亮介は、自分の顔に手を当てて、つらい顔をしてる。

「少し……考える時間をくれ。」

そう言って亮介は、北海道へ行ってしまった。

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