恋人は社長令嬢
第8章 異性の友達ってヤツ
「どうして、こんなに?」
そしてまた、鳴りだす携帯。
相手はまたもや、至だ。
なぜ?
なぜあの人が、姉の携帯へこんなにも、電話をよこすのか。
姉とは、どんな関係なのか。
気になりだすと、キリがない。
そんな気持ちが、埜々香の判断を誤らせた。
次の着信が鳴った時、埜々香はボタンを押した。
『那々香!』
必死に姉の名前を呼ぶ彼。
『やっと、繋がった…』
もしかして、本当に姉に用事が?
「あ、あの…」
『何も言わなくていい!』
完全にあの人は、私を姉だと思っている。
『俺、この前那々香にキスした事、謝らないから。』
えっ……
「…那々香が好きなんだ。こんな気持ちになるなんて…
生まれて初めてだ。」
埜々香は電話をブツッと切ると、その場に崩れ落ちた。