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恋人は社長令嬢

第9章 勇気を出して

もしかして、それも当たってた?



「ああ~。ジュースも飲んだし、私そろそろ、部屋に戻るね。」

梨々香はカニ歩きで、台所を出ようとした。

「梨々香。」

「は、はい!」

恐ろしくて、那々香とは目を合わせられない。


「あんたは、結婚の話とか出てんの?」

「……いいえ。」

「本当?」

「本当です!!」

思わず、ウソなのに叫んでしまう。

「はあ~。」

今度はため息だ。

「もし、そういう話が出たなら、父親が社長をしているって言っておいた方がいいわよ。」

「え?」

那々香は、じっとこちらを見た。

「どうせ梨々香の事だから、父親はただの会社員だって言ってあるんでしょ?」

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