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恋人は社長令嬢

第4章 蝶よ花よと育てたつもりが

PiPiPi。

「ん~……」

手を伸ばすと、あるはずの目ざまし時計がない。

「おはよう、春君。」

その声と共に、自分の口が、柔らかいものに塞がれる。

「んんんんん!!!」

手足をバタつかせる春樹。

「プハァ~!」

そして、響き渡る京香の満足そうな声。

「今朝も、いい目覚めだわ。」

さっきまで、自分の側にいたのに、いつの間にか窓際に立っている京香。


ゼーゼー言いながら、春樹は身体を起こした。

「京ちゃん。朝のチューは、せめて俺が起きるまで、待ってくれって……」

「それじゃあ、モーニングキスには、ならないじゃないの!!!」

「はっ、はい!」


松森の婿歴、26年。


未だに妻の京香には、逆らえない春樹だ。
※これでもこの人、社長だぞ?

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