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恋人は社長令嬢

第4章 蝶よ花よと育てたつもりが

AM 11:00。

春樹は、本社第一会議室にて、定例会議中。


「ええ~、最近の不況のあおりで……」

那々香の気持ちも、分からないでもない。

「当社の売り上げも、少しずつではありますが……」

京香と出会った時は、自分は課長どころか、ただの平社員だった。

「減少の傾向にあります。」

今だって、生粋のお嬢様の京香が、なぜ自分を選んでくれたのか、分からない。

「これに関しまして……」


いや、待てよ。

自分は独身だったが、あいつは結婚してるじゃないか。


「社長からお言葉が……」

「ダメだ!ダメだ!ダメだ!!」


春樹の奇声が、響き渡る。


「中身など関係ない!現実を見ないで、どうするんだ!!」

辺りはシーンと、静まり返る。

「将来を見据えた行動をしなければ、結果は決まってるじゃないか!!」

「しゃ、社長!?」

「そうだ!ためらう事はない。結果が全てだ。」


春樹が結局何を言いたいのか分からないが、とりあえず”結果を出せ”という事で、会議はまとまった。

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