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恋人は社長令嬢

第4章 蝶よ花よと育てたつもりが

営業部の応接室は、廊下側の壁はガラス張りになっていて、普段はカーテンのように、スクリーンが貼られていた。

だがその時だけは、ちょうど普通の壁との間に、10cm程の隙間が空いていた。


そこから中の様子を見て、春樹は目を見開いた。

さっきの大村課長というヤツが、那々香と抱き合って、キスしているではないか。

「……そういうことか。」

「へ?」

部長の角度からは、死角になっているのか、中の様子は一切見えないようだった。

だが、春樹はそれと一緒に、亮介の左手の薬指も、見逃さなかった。

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