テキストサイズ

溺れるくらいに愛されたい

第1章 居酒屋で

この日から、私の人生が変わったと言っても、過言ではない。

男女の出会いなんて、一瞬で。

あっ、この人……と思ったら、何かが始まるんだし。

私もそうだった。


「柚、二十歳の誕生日、おめでとう。」

「ありがとう、花織。」

先に二十歳になった同じ大学の友人、花織に居酒屋で祝って貰ったのは、6月の事だった。

「私達ももう大人だね。」

「法律上はね。でも、はい、今日から大人ですって言われても、ピンとこないね。」

花織はビール、私はカシオレを飲んで、初めてのお酒の席を楽しんでいた。

「そう言えば、新しく好きな人できた?」

「できてない。」

「大学には、あんなに男がいるのにね。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ