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溺れるくらいに愛されたい

第1章 居酒屋で

私は、改めて頭を下げると、そのまま和馬さんに背中を向けた。

「待って。」

和馬さんは、私の腕を握った。

「もう帰るの?」

「はい。」

「家まで、送ってもいいかな。」

あまりにも和馬さんが、真剣な目で私を見るから、うんと頷いてしまった。

しばらくして、二人で歩き始めた。


「どんなお仕事されてるんですか。」

「営業だよ。フリーペーパーの。知ってる?○○タイムとか。」

「ええ⁉知ってます。って言うか、愛読してます。」

和馬さんからはイメージできない、激かわファッション雑誌。

それの営業?大変そうだ。

「柚ちゃんは、何の勉強してるの?」

「栄養学です。私、結婚したらきちんと料理する奥さんになりたくて。」
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