👿サディステック👼エンジェル
第8章 バレた!?
「――――や…め…ろ」
俺は、苦しくて胸の辺りを掴み――――看護士を押し離す。
が、看護士も必死に俺に呼吸をさせようと…周りにいた看護士に呼吸器を持ってくるよう指示する。
苦しい――――でも、違う…
違うんだ!
あれは――――京子が!姉が!
先生を!
「矢先!」
――――あ…
俺はその声に涙が溢れた。
――――辻山…先生…
「ゆ――――…」
「矢先!――――なっ、これは!?」
「お知り合いですか?運ばれた方と一緒にいた生徒さんですが――――ショックが大きかった見たいで……呼吸困難になってて――――!」
的確に俺の状況を辻山先生に話す看護士――――…
「この子の副担です――――運ばれたのは…担任の教師です!」
そう言って――――辻山先生は俺に駆け寄る!
「矢先!矢先――――!大丈夫か?無理するな…楽な体勢になれ!俺を掴んでもいいから!」
――――苦しい…苦しい!
俺は看護士に支えられながら…辻山先生に手を伸ばし…
胸ぐらを掴んだ――――。
その時
ふわっと――――先生の香りが俺の体を包んだ。
「ゆ…う――――ゆぅ……」
俺は溢れる涙を押し付けるように――――辻山先生に抱きつき…彼の香りを思いっきり吸い込んだ!