👿サディステック👼エンジェル
第9章 残酷愛
~辻山side~
“実家”と聞いて――――安心したのか…矢先は震え…気絶した。
「えっ!?何で――――?」
倒れたことで、手術室の前は何人もの看護士が駆けつけ…あっという間に矢先を運んでいってしまった。
抱き支えていた俺の腕には――――矢先の…温もりだけが取り残された。
「なっ――――何があったんだ!?」
教頭は焦りながら…運ばれていく矢先と手術室の“手術中”のライトを何度も見比べる。
「教頭先生――――俺は矢先についていきますので、内藤先生の方お願いします!」
「ちょっ、え?――――辻山先生!」
俺は運ばれる矢先を追いかけた!
診察室に運ばれる――――色んな機械を取り付けられ…矢先は分厚い扉の中に入っていった。
俺は、後に着いてきただけで…そこがどんな検査をする場所なのか分からず…見守る…。
しかし――――なんで…矢先は震え気絶したのか?
いつもの矢先ではなかったのは確かだった。
天使のような笑顔の矢先…
俺を攻め――――喜ぶ…桃…
このギャップに俺は惚れたのだ!
なのに――――さっきの怯えた表情は…
見たことがない!