👿サディステック👼エンジェル
第9章 残酷愛
俺は、通りかかる看護士全員に「矢先は…大丈夫ですか?」と、聞いた。
「大丈夫ですよ――――すこし、意識を失っただけですから」
と、皆…同じ答えを返す。
矢先が扉の向こうに入って――――…20分はたつ…。
「矢先――――矢先……もも…もも…」
俺は検査中の扉の前で神に祈るようなポーズで立ち続けた!
すると――――…
重い扉が開き…
検査を終えた矢先が――――大きなベッドに寝かせられ…そのまま運ばれてきた。
「ご家族……の方ですか?」
検査を担当した先生か――――…眼鏡をかけた先生は俺を見て“家族か?”と聞いて来た。
「いえ――――その子の副担です!今、手術中の事故にあったのが彼の担任ですから…」
「そう――――目の前で担任が事故かぁ…ちょっとトラウマになったのかな?精神的苦痛に防衛本能が作動したのかな?
一通り検査をしたけど…脳や体には何の外傷は見つからなかった。大きなストレスにさらされているのは確かだが……ストレスを受ける条件は人様々だから…」
――――ストレス?
確かに、目の前で知り合いが撥ね飛ばされたのなら…トラウマレベルにストレスだ!