👿サディステック👼エンジェル
第10章 相手のない幸せ
~矢先side~
――――最悪だ…
最悪だった…
言いたくなかった…
俺の過去と…姉との関係……悠に言いたくなかった。
でも――――…俺の症状を見たら…誰でも気がついてしまうかも…知れない。
家族愛――――…そんなもの…
あの家にはない…。
男女間の愛――――…そんなもの…
姉にはない。
俺は――――…心も体も…あの家族と姉に…壊され…
犯され――――…
蓋をされた。
育ての親は、俺が姉に犯されている現場を見た――――…のに…
心の底では――――「お前が…我々の娘を誘惑したんじゃないのか?」と、思っている。
いや――――思いたいのだ。
12の精通も来ていない子供が……実の姉だと思い慕っていた女を誘惑するわけないだろ?!
なのに…
「京子、アメリカで心を落ち着かせて来なさい!桃李と少し距離も時間も置けば――――違う世界を見れば…考えも変わるだろ?」
と、世間体を気にしてなのか…すぐにカウンセリングを受けさせなかった…
もちろん……
俺も――――…
俺には…
「これは事故だ……誰も悪くない――――な?桃李?大丈夫だよな?お前は男だ!妊娠のリスクがあるのは京子の方だ……女の子には負担が大きすぎる」
と、訳の分からないことをいい――――…出来事に蓋をしようとした。