👿サディステック👼エンジェル
第11章 誰も知らない――――…
そして、思いださなくてもいい――――…
と、頭の何処かで…いつも優しく
囁かれる――――。
だから…
俺は――――――――思い出さないと…決めた。
「お父さんってさぁ~~笑顔が天使みたいだよねぇ~!イケメンってお母さんがいつも言ってるぅ」
「そうか?なら、悠蘭も天使なんじゃないか?」
「キャッ!私も天使ぃ~!なら、蘭太(らんた)も天使ぃ~」
腕のなかで自分と弟を天使だと笑う長女の頬に触れる。
「そういえば――――俺の事を“天使顔の…サディスト”って…言ってくれた人がいた気が…するんだけど?気のせいかな?」
「サディ…ストぅ?何――――それ」
「ん~~父さんもわかんねぇ!」
川端 太陽(かわばた たいよう) 27歳…
俺は――――――――…
全てを忘れ…
新たな人生を…進みはじめた。
それで…いい――――…
俺は――――――――――――…
サディストだから…。
【完】