👿サディステック👼エンジェル
第11章 誰も知らない――――…
記憶の事は、養父も嫁も気にして――――取り戻そうか?と、いってくれるが…
取り戻したところで――――…意味がない気がした。
前の家族と縁を切ってから…彼らと話したことも、あったこともない。
どんな家族だったのか…顔すら思い出せないのだ…会っても意味はない。
高校に戻る事も考えたが…誰一人思い出せない学校に行っても…気を使いストレスが貯まりそうで嫌だった。
多分――――大事なことも忘れているが…
俺は…
その方がいい気がした。
多分――――――――多分だけど…
思い出したら…
俺は再び壊れるかもしれない――――と、漠然と思っているからだ。