
大人の俺と子どもの私
第1章 出会い
「!!!何?」
急にドアを開けられて、ビクッとしてこちらを向く女の子がいた。
部屋の真ん中に置いてるローテーブルで宿題なのか、漢字ドリルを開いてる。
俺の存在に気づいたのか、
「その人誰」
と低い声で言った。
「新しい人、来るって昨日も言ったでしょ。はっき挨拶しに出てきてって言ったんだけど」
莉子ちゃんもなんだか他の子たちとの会話より、幾分声が低い。
冷めた会話をしている気がする。
「挨拶して」と莉子ちゃんが言うと、そのまま無視して、漢字ドリルに目を落とした。
他の子と雰囲気違うなぁって思いながらも、自分から挨拶してみた。
「あ、秋山って言います」
そう言いながら部屋に一歩足を踏み入れると、
「は?!勝手に入らないでよっ!!!」
急にこちらを見て大きい声を出したかと思えば、手に持ってた鉛筆をこちらに投げてきた。
