I‘m yours forever
第5章 美月は何も知らなかった 後編
「無論父にだけは伝えてある。一応俺が突然死した場合、お前を巻き込まず、全責任を持つと言っていたが、信用はしていない。よって死後離婚が最も安心出来る。遺産相続と遺族年金の受給も可能だ。」
「.......デメリットとかは無いんですか?」
「経済的なデメリットは特に無いが....もし将来俺との間に子供が出来た場合、その子供との関係悪化を防ぐために、事前に説明しておいた方がいいだろうな。まあ...後は墓参りが難しくなるぐらいか....。」
「そう...ですか...黎一さんのお墓参りが出来ないのは寂しいです....。」
「......そう項垂れるな。全て仮の話だ。最悪忘れてもいい。全て書き残し、茶封筒に入れてある。」
見るからに悄然としてしまった私の肩を黎一さんは抱き寄せる。
「本当....用意周到ですね。」
「俺の書斎デスクの一番上の引き出しに仕舞っている。公正証書遺言の事も記載済みだ。最悪の事態になった際、公正役場にて取り寄せてくれ。」
「こ、公正証書遺言??」