I‘m yours forever
第6章 どの道、美月は愛される
例のあの部屋と呼んだ、愛の営みを目的とする夫婦共用部屋にたどり着いた私は、先にエアコンを付ける。
先程使用したバスタオルを手に持ち、カーペットの床に正座待機していた所、セパレートタイプのパジャマからスーツ姿へと着替えたご主人様が、入ってきた。
お願いした記憶は一切無いが、一度「スーツで犯されるのが好きなの」と言った事がある。忘れてくれて良いと言ったのに、それ以来ずっと彼は私を抱く時にスーツ姿だった。
私の事を性奴隷と言いつつ、そういう配慮は絶対無くさないのだろう。彼の凛々しい姿に目を奪われながら、私はそう思ったのだった。
ご主人様はキングサイズのベッド横に設置されたネイビーの肘掛け椅子に腰掛けると、木製のサイドテーブルに、紙袋とハンディカメラを置く。サイドテーブル足元には折り畳んだ三脚を横置きしていた。
「付けなさい。」
鈴付きの黒いレザーチョーカーを彼に手渡される。合金のバックル付きのベルトタイプのチョーカーは首輪のように見えたが、想像していたような圧迫感や締め付けは無くホッとした。
「何だ。嫌なのか?」
ハンディカメラをいつの間にか凝視していた私に向かって、ご主人様が嘲笑混じりにそう尋ねてきた。
「い、いえ...そんなつもりは.....。
ただ、その...め、珍しくて....。」
「お前には初めて使用するからな。雌猫のお前にはビデオ動画の被写体になってもらう。私の命令には全て従え。」
「は、はい。ご主人様。」
「そして...これは後の私専用の鑑賞用ビデオとなる。私への奉仕精神を忘れるなよ。私の機嫌を損ねる発言は論外だ。」
「か、畏まりました。」
「よろしい。では、ベッドの方へ移動し、私の準備が整うまで正座待機だ。」
ご主人様にそう命令された私は、いつも彼とのセックスで使用しているベッドへと移動し、彼の指示通りに正座で待った。
折り畳まれた三脚が開き、ハンディカメラが設置される。その高さはほぼ私の目線と同じだった。