I‘m yours forever
第1章 美月、傷つく
「知らん。初耳だ。その美しく魅惑的な身体の何処にコンプレックスを感じるんだ?」
「胸と太ももとお尻です。特に胸が一番気になってました。ダイエットをすれば落ちるんですけど、結局元に戻ってしまって....。」
「そんな無駄な事はしなくていい。今のお前が綺麗だ。必要無い。」
「そ、そう断言されましても....。やはり胸が大きいとまず着る服にも困るんです。
タイトすぎたり逆に緩すぎても駄目だし、ワンピースやブラウスが好きで偶に着てしまいますけど、やっぱり太って見えてしまうので....それに肩凝りも酷いです....減量するべきなのかなと....。」
「....なるほど。そういった不利な点が有るのは、確かにいただけないな。特に女性にとって体型に関わる事は大きな問題だろう。だがお前はどう見ても標準体型だ。到底肥満には見えない。誰がどう見てもそう思う。安心してくれ。」
「そうなんですね.....。何だか黎一さんに肯定されると、ホッとします。」
「そうか、何よりだ。その内、ありのままの自分と向き合い、受け入れる事が出来ればお前のコンプレックスは克服出来る。中々直ぐには解消出来ないと思うが、協力出来る事は何でもしよう。お前は綺麗で清純な女性だ。私が保証する。だから卑屈になるな、美月。」
そう優しく言うと、黎一さんは涙を零した私の頭をソッと撫でた。
頭を何度も撫でられる気持ち良さに、目を細め、されるがままになっていると、その手がゆっくりと下がって行く。
額、頬、最後は咬筋まで下がった彼の小指は私の上唇へと触れた。
その彼の小指を舌先で意味ありげに舐め上げれば、小動物を愛でるような彼の瞳が一瞬にして情欲的な瞳へと変わったのだった。