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I‘m yours forever

第1章 美月、傷つく





「...お前は煽るのが上手いな。」



感嘆の息を漏らした黎一さんの声は艶やかだった。その美声にハッとした私は慌てて舌を引っ込めれば、彼は私の頬からゆっくりと手を引いていった。


「.......別に煽ったりなんか.....」


意図が簡単に伝わってしまった事に今更恥ずかしくなって、弱々しく私は否定する。



「あんな物欲しそうな目をして無意識だったのか?」


そう言って彼は意地悪く笑うと私の唾液で塗れた小指を舐め上げた。
虎視眈々とした彼の瞳と視線がぶつかって、私の心臓は大きく跳ね上がる。

その獰猛な視線を一切逸らす事無く、
私の唾液をまるで味わうように彼は小指を舐める。


“言えよ。俺が欲しかったんだろう?”


そう訴えているような彼の強い眼光と舌先によって、徐々に身体の内側から熱くなっていくのを感じた。
彼の視線に耐えきれなくなり、私は顔を俯かせるが、下腹部が疼いていく一方で治まりそうに無いのだ。


「お願い....止めて...。
 こんな所でイキたくない。」



「私はお前に指一本触れていないが....何を興奮しているんだ?美月」



あの8月のように質問攻めをされるくらいなら、正直に言ってしまおう。
そう思って顔を上げ、馬鹿正直に言った自分を殴りたかった。多分、どう返答しても同じ結果にしかならない。余計な事を言わなければ良かったのだ。




「何って....そんなの...黎一さん、分かり切ってる癖に...。」



「分からないなぁ。是非お前の口から聞かせて頂きたい。」



そう白々しく言うと、彼は舌舐めずりする。
そして聞かせて頂きたいと丁寧な口調で言いながら、“ほら言えよ”と催促しているのだ。



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