I‘m yours forever
第1章 美月、傷つく
「そうだろう。今思い出しても腹の立つ話だ。無傷で帰すつもりは毛頭無かったが、お前に頼まれてしまうとな....。本当にあのまま帰して良かったのか?私としては腕を折ってしまいたかったんだが。」
「いや駄目でしょう!」
物騒な言葉が黎一さんの口から飛び出してきた瞬間、私は即座に否定した。
「何の制裁も受けずに生きて帰れるだけでも有難い話だ。それに病院で適切な治療を受ければ腕は再生する。何ら問題は無いだろう。」
「いやいや問題しかないですから!そもそも法に触れますし。」
「お前の名誉を傷つけたんだ。多少、法を犯しても構わん。」
「いや絶対駄目ですって!私、黎一さんが傷害罪及び暴行罪で警察に捕まる姿、見たくありませんよ!」
私がそう本心を告げると黎一さんがクスッと吹き出した。
イマイチ笑いどころが謎だ。
「そうだな、お前の言う通りだ。悪かったよ。」
「......も、もう、びっくりしました....。」
私はそう言うと、胸を撫で下ろす。
一瞬頭のネジを飛ばしかけたが、黎一さんはきちんと戻ってきてくれたのだ。
良かったという安堵感が広がる。
「....死骸と化したという認識でいいか?」
「....え....あ......はい!死骸というか塵です!塵になって消えました!」
話が飛んだ為、一瞬死骸とは?となりかけた私だったが、尾崎の事だと理解すると、誤解が生じる恐怖から早口で捲し立てるように言った。
すると、彼は私のバスローブの腰紐を解き、肌蹴た白のナイトガウンの隙間から手を差し込んだ。