I‘m yours forever
第1章 美月、傷つく
「美月、フェラはいい。苦手だろう。」
起き上がり、彼のナイトガウンの帯紐に手をかけようとした私の手が、指摘を受けて瞬時に固まった。
「....何ですぐ分かったんですか?私、殆ど何もしてないのに....。」
「お前の事を良く見ているだけだ。そして私の記憶が正しければ、苦しそうにお前は私の性器を吠えこんでいた筈だ。違うか?」
「あ、あれは初めてだったからです...。でも練習すれば人並みに上手くなると思いますし、苦手意識も無くなります。黎一さんは色々ご不満かと思いますが、辛抱頂けると助かります。」
「...........美月、私はお前に対して何の不満も抱いていない。従って嫌がるお前に口淫を強要する気も無い。そのままでいい。」
「...ちょっと克服してみたかったのに...。」
「止めなさい。それで万が一お前の具合が悪くなった場合、私に興奮も何もない。完全に興ざめだ。」
「な!子ども扱いしないで下さ....キャ!」
口を尖らせながら、言葉を言い切らないうちに黎一さんは私の肩を強く押すと、組み敷いて唇を強引に奪った。
「お前は私の下で喘いでいればいい。快楽を享受するお前の美しい姿を俺に見せろ。」
唇を離し、彼は私の耳元でそうねっとりと囁いた。
命令口調でありながら、その内容は決して私を貶めるものではない。
むしろ逆なのだ。
「はい....。」
顔を真っ赤にしながら、私はコクリと頷いた。
ベッドの主導権を彼が握り続けている理由が、漸く分かったような気がした。