I‘m yours forever
第2章 美月、奮闘する
「それは...普段見る事が無い私の姿を見たいと....そう解釈して大丈夫なんですよね?」
謎のプレッシャーを感じながら、直球で聞いてみると、あっさり「そうだ。」と返ってくる。
「あの....私、S側に回った事無いです。そもそも言葉攻めも苦手です。期待されている所申し訳ないんですけど、そんな私が...その...気軽に引き受けてもいいんでしょうか?」
「.................私の要求を呑んでくれるのか?」
途端に声を弾ませ、爛々と輝き出した黎一さんの双眼に、私は気後れしそうになった。
「無論お引き受けするつもりですが、その、黎一さんを満足出来るかどうか不安で....。」
「完成度などどうでもいい。ただ私が見たいだけだ。お前の言葉なら、どんな言葉でも興奮出来る自信がある。安心しなさい。急だが、今夜実行してもらって構わないか?本物の女王様になれとは言わんが、私の用意した衣装を着てくれると大変嬉しい。併せて道具もあるが、使用するかどうかはお前の判断に任せる。それとだな」
「わ、分かりました!着ます!今日決行でいいです!全部OKするので、あの...もう少しゆっくり喋ってもらう事出来ます?聞き逃してしまいそうなので」
かつてないほど、早口で饒舌な彼に着いていけなくなった私はそうお願いすると、彼は「それは失礼した。」と言って喋るスピードを素のペースに戻した。