I‘m yours forever
第2章 美月、奮闘する
「お前は経験が無い事をカバーする為に事前に勉強してきそうだが、そういった事は不要だ。頭に浮かんだ事をそのまま言えばいい。限界だと感じたらいつでもギブアップと声を掛けてくれ。攻守逆転としよう。」
いつでもリタイア可能で、
別に女王様になり切る必要性も無い。
つまり、
「衣装だけ着て、お前の好きに罵ってくれ。
辛くなったら投げ出していい。」って事と同義だ。
私の緊張を解すために言ってくれただけかもしれないが、凄い譲歩だ。
「あ、ありがとうございます。
私なりに精一杯頑張ります。」
私は彼にペコリと頭を下げた。
初めての女王様だ。
上手く出来るか分からないけど、誕生日を祝えなかった彼を何とか喜ばせたい。やるしかない。
黎一さんは何もしなくていいと言っていたけど、
あと数時間で来てしまう夜に備えて、出来る限りの事はやらなくては。
私はこの時、そう固く決意したのだった。