I‘m yours forever
第4章 美月は何も知らなかった 前編
「えーー!分かんないの?(笑)つまり、美月ちゃんを泣かせるような真似をしたらアンタを溺愛している彼が黙ってないって事よ。」
「....ああ...なるほど、そういう....。え!ま、待って下さい!な、なんで黎一さんが私の事溺愛してるって分かったんです?」
「いやそりゃあ分かるよ。アタシが長年片想いしてたからっていうのもあるけど、彼の貴方を見る目、めちゃくちゃ優しいもん。教職員や生徒には普通かな...あ、でも褒める時は優しいかな。」
「な、なるほど...。」
「ちなみに校長にはめっちゃ冷たい。最早、睨んでるに等しいね。」
「校長、大丈夫なんでしょうか...。ストレスでハゲが進行しそうな予感が....。」
「別に進行したっていいじゃん。つるっ禿げになったって良質なカツラでも買えば済む話でしょ?お金あるんだし。」
「三原先生、恨みが凄いです。」
「当たり前よ。校長の権限だとか何とか言って口にするのも悍ましい気色悪いセクハラ、何回もされたんだから。ハゲになれハゲに。」
「あ、アハハハ...。」
毒を吐く三原先生に苦笑していると、外から「失礼致します。」と言って、若い男性店員がそっと扉を開けた。
お盆に載せられたチーズフォンデュとチューハイ、ビールを手慣れた手つきでテーブルに置いていくと、再び「失礼致しました。」と言って去っていった。