I‘m yours forever
第1章 美月、傷つく
「れ、黎一さん、もういいです!彼の腕、解放して下さい!!本当に折れてしまいそうです!!」
私がそう必死にお願いすると、彼はチラッと私の方に視線を向けた。
「この害虫に、個人情報を教えるような事はしていないだろうな?」
「してないです!写真だけという話で....。
でもまだ何も....。」
「.............ならいい。」
黎一さんの冷え切った視線に恐怖を感じたものの、彼の視線は段々と伏せられていき、最終的には仕方がないといった風に、尾崎の腕から黎一さんは手を引いた。
「何をしている?目障りだ。さっさと失せろ。」
片腕をさすりながら息を整える尾崎の耳へ、氷の塊ではないかと思われる程、冷え切った絶対零度の声が響く。
その直後ヒィっと情け無い声を上げると、負け犬の如く尾崎は私達に背を向けて逃げていったのだった。