I‘m yours forever
第4章 美月は何も知らなかった 前編
「その....忘れてくれないか...?」
「え...な、何を...?」
「決まっているだろう。子供が欲しいと言った事だ。」
「え......ええええええええええ!?」
「そもそも何故あんな碌でもない台詞を覚えている?形式的だったがプロポーズもしただろう?」
「いや...印象的だったので、つい...。ていうか碌でも無いってどういう事ですか?私と家族になって子供を一緒に育てたかった。それぐらい私の事が好きだったって事ですよね?」
「違う」
「え?」
「そういった感情は有ったのかもしれんが、2割程度だ。」
「.....の、残りの8割は....?」
「..........................。悪魔に憑依された為、詳細は全く覚えていない。」
「何で突然オカルト現象入ってくるんですか?!駄目ですよ!ちゃんと言って下さい!........な、何でジッと見てくるんです?」
「お前に危害を加えずに記憶を一部抹殺する方法を探っていたが、無さそうだな。」
「止めて下さい!おっかない!」
「..............せめて察してくれないか?」
「.....察すると...言われましても...。」
「俺は...お前と結婚は無理だろうと諦観していた...それが今では夫婦だ。もう分かるだろう?」
「...私との結婚を諦めていて、でも結婚出来て満足出来た今、子供が...要らない...?」
「そうだ。」
「でも喉から手が出る程、子どもが欲しかったんですよね?....すみません、どういう事でしょう...?」
私がそう尋ねると、彼はハァーと長い溜息を吐いた。