テキストサイズ

老人ホーム

第9章 夜勤 後半

仮眠してからの時間は、目まぐるしく忙しい。

排泄介助のあと、自分達の朝食を済ませてから利用者さんの朝食、また排泄介助…。もう、初めての夜勤でヘトヘトになりつつ、夜勤も終わりに近付いた。

今は、早出勤務の職員もいて、あちこちで話し声が聞こえて夜勤と違い施設内が賑やかになっていた。

田中は今日の夜勤の責任者なので、最後のまとめを日誌に記録し、僕を含めて他の3人は、夜の洗濯物を一緒に畳んだ。女の人2人は、雑談をしながら畳み、僕は話を聞きなから畳んだ。

村山は、

「田中さん、やけに今日テンション高くなかった?」

と言った。白山も、

「そうそう!私もそう思った!平林君は思わなかった?」

と言った。僕は、

「そう言われるとそんな感じもしましたが…。」

と言うと、村山は、

「久しぶりだったから良かったんじゃない?」

と言った。白山も、

「あの感じは、そういうテンションの高さよね〜!平林君も、良かったね!」

と言った。僕は、ドキッとして、

「えっ?」

と聞き返した。すると白山は、

「したんでしょ!」

と言った。僕は、

「えっ?知ってるんですか?」

と聞くと、白山は、

「聞いたわよ!村山さんにティッシュもらったんでしょ!そりゃー、田中さんのそんなところ見たら、男の子ならしないはずないわよ!山田さんとしてるところ見ながらしたんでしょ!良かったわね!それにあなた、そういうニオイしてたし…。」

僕は、

「そ、そうです。しました。しました。村山さんにティッシュもらっていて良かったです。」

と言った。村山は、

「あら?はっきり言うわね!まー、男の子なら一人でするのは当然だと思うけど、どうしたの?そこまでははっきり言うなんて…。いつもそんなにはっきり言わないのに…。」

と言った。僕は、田中とのことを知られていたと思って、反応してしまったので、それを隠すために一人でしたことを強調して話してしまった。僕は、

「なんかもう、お金払ってあれを見た時点で、村山さんと白山さんには何言っても恥ずかしくない感じになっているかもしれません。」

と言った。村山は、

「まー、そうかもしれないわね!私達も、そういうこと平林君に聞いても違和感なくなった感じがするし…。」

と言った。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ