テキストサイズ

主治医との結婚生活

第3章 再会

それからは 押したり引いたり…

先生との駆け引きの日々。

そんな事をしている内に 先生も段々と
心を許してくれる様になって…

決定的になったのは、
私が新人のドクターに本気で言い寄られた事。

先生は 本っ当〜に間際まで抵抗していたけど、
「迷惑なら諦める…」
と私が引いたのを慌てて、 
やっと 追いかけて来てくれた。


「本当にごめん。
明花ちゃんに幸せになって貰いたかったのは
本当なんだ…。
本当に…こんな オジサンでいいの?」

喧嘩別れした翌日、先生は他の先生にシフトチェンジをお願いして私の家に訪ねて来た。


「先生しかいらない…! 
ずっと先生だけが欲しかった…」

泣きじゃくる私に 初めて先生からキスしてくれた。

「こんなに僕を思ってくれるのは…
明花ちゃんしかいないよ…。」

先生と重ねる
今まで1番幸せなキスだった。

ここから 先生の溺愛は 始まった。



「奏真さんっていつも
髪を短めにしているのね!」

「うん。ボサボサにならないように
気をつけているよ(笑)」

それは
あのひと夏の私の忠告を ずっと
気にしてくれていた… という事。

「…モテたでしょ?」
「そんな事、ないよ…!」

私は先生の顔をマジマジと覗き込む。

「…。 悔しいな… ! 」

私は不機嫌になって奏真さんの肩をぐっと
突き飛ばした。

後ろにあったソファーに驚いた顔で沈む
奏真さんの上に覆い被さって キスをする。

「何人と付き合ったの?!
私は1人も心を許さなかったのに…!」

奏真さんの両手を押さえ込んでちゅっちゅと
キスをする。


突然 奏真さんの足が私の腰に巻き付いて
そのまま ぐるんと反転させられた。

「形勢逆転だね…」

ソファーに沈められたのは 私の方…

奏真さんは私に覆い被さって両手の指を絡める。 

近づいてくる奏真さんの顔にドキドキして
思わず目を瞑って顔を反らす。

「明花…。」

顔を反らした代わりに奏真さんの顔前に
剥き出しになった耳に
奏真さんはそっ…と舌を滑らせた。

「…っ!」
緊張して 体が強張る。

「大人のキスを教えてあげる…。1つ1つ丁寧に… 
明花が…上手に出来るまで…」

耳元で囁かれて 吐息がくすぐったい。
私は小さく悲鳴をあげた。

「全く困った子だなぁ。こんな年上を
10年以上翻弄するなんて」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ