無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

女将さんはいつも通り
丁寧に挨拶をして　部屋を離れた。


「今日も…　豪華ですね〜　!!!」
並べられた　料理を前に感動する。

上げ膳据え膳に…
美味しい料理…！　最高…！

「うん。　美味しそうだけど…
僕はもうそろそろ　明花ちゃんのご飯が
食べたい…。」

奏真さんは私の手料理が　恋しい　と悲しむ。


「え…っ　…そうですか？
奏真さんは　帰ったら何が食べたいですか？」

私の質問に　奏真さんは即答する。

「じゃがいもの味噌汁！」

「あれ？　そんなに　好きでしたっけ？
しかも　あまり作らない様な…？」

私は　小首を傾げる。
そんなに　好きだった記憶がない。


「明花ちゃんが　始めて僕に作ってくれたもの
だよ？　覚えていないの？」

「…そうでしたっけ？」

「覚えていないの？！」
奏真さんは　震え　心底悲しそうにする。

「ふふっ。冗談です。覚えてますよ。　
あの日の事は…　全部…。
私の初めてを　奏真さんに捧げられた
大切な　日だもの…。」

私は　胸に手を添えて　目を瞑って微笑む。

「…。」

奏真さんは　反応に困ったらしくて
ただ　ただ　顔を　赤くしていた。



「食べれそう？　雑炊も急遽　用意してくれた
みたいだよ　？」

奏真さんが土鍋を指差す。

「わぁ…！　有り難いですね…！」

まさに至れり尽くせり…！

「…そうですね。　雑炊から頂こうかな…」

どれも美味しそうだけど…
食欲があるかと聞かれたら…　微妙だ…

「食欲といえばさ…」

奏真さんが　
お茶碗に雑炊をよそって　くれながら
話し出す。

「明花ちゃん　ダイエット…　してるでしょ！」

「え…？」

ドキ〜ッ　!!!

「さっき　抱き上げた時、前より軽かったよ？」

「してないですよぉ。　
昨日も　夜ご飯を　モリモリ食べてたじゃないですか！　朝ご飯も…　落ち着かなかったけど…」

私は即座に　否定する。

「朝の身体検査で…　全裸にさせて思ったんだよね。
この前　より　細いな…って。」

奏真さんの　尋問は続く。

「冷蔵庫の…　野菜室…」

ギクッ

「プロテインドリンク入ってたけど…　アレは…
ダイエット目的ではないんだ？」

「…。」

私は奏真さんから視線を反らして
ダラダラ　冷や汗をかく。


何で　知ってるの～　!!!