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孤高の帝王は純粋無垢な少女を愛し、どこまでも優しく穢す

第30章 口淫

フィレステーキを小さく切り、フォークにさすとおじさまの口元へ運んだ。

おじさまは肉をほおばりうなずいた。こんどはおじさまが切った肉片を私に咥えさせる。


そうやって食べさせ合ううちに、だんだんおじさまの目つきが妖しく色づき始める。

「黎佳が美味しそうに食べる顔…たまらないよ」

そう言って立ち上がって近づき、私の顎をすくい上げて顔を近づける。

「ソースが付いてる」

屈みこんで、唇の端を舐めてくれる。

私はおじさまの唇を舐め返した。

互いの頬を舐めあい、いつの間にか深い接吻に変わる。

貪るように、互いの唇を甘く噛み、交互に舌を口に含み合った。

食欲は消え去り、情交の欲求に支配された私たちは無心に衣服を脱いで床で抱き合った。

おじさまが私を組み敷き、苦しそうな目で私に尋ねた。

「遥人に抱かれた?」

私は見下ろすおじさまの瞳を見つめたまま首を横に振ると、おじさまはため息を漏らしながらも、満ち足りた微笑で私を抱きしめた。

手のひらが、体を這う。肩、胸のふくらみ、なだらかな腰の曲線。私は目を閉じた。

おじさまの燃えるような温度の高い手のひらが私の稜線を辿ると、空気に溶け入りそうに曖昧だったその輪郭が、やっとはっきりしてくる。

おじさまの手が、自分がここにいるということを教えてくれる、唯一の存在だった。

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