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孤高の帝王は純粋無垢な少女を愛し、どこまでも優しく穢す

第33章 出産

おじさまはベッドから起き上がった私を抱きしめた。

「私は無事に決まっているわ。おかしなこと言わないで」

「おかしいかな。僕はいつだって君がどこかへ行ってしまうんじゃないかって心配なんだ」

「どこへも行かないわ。ずっとそばにいるから。おじさま、安心して」

「黎佳」

「おじさま」

どちらからともなく唇を重ねる。

「いたみはあるのかい」

「もうないわ。傷跡はまだ生々しいけど」

「かわいい黎佳…体に傷をつけてまで私のために」

おじさまはまた、ぎゅっと私を両腕に包み込み、額に頬をこすりつけた。

「おじさま、ただ愛してるだけよ」

「黎佳」

見つめ合っているだけで、頬が熱くなった。

同時に乳房に血流が押し流される感触があって、母乳が滲み出してしまう。

耀が寝ている間にも私の体の中では、彼のための糧が休まず作られているのだと感じる。

ふと感情が動いたりするだけで、ブラに収めた母乳パッドが容易に濡れて重たくなってしまうのだ。

おじさまは私の胸をはだけ、膨らんだ乳首を口に含んだ。

優しく吸われ、母乳が噴き出ておじさまの喉へ流れるのが分かる。

「おじさま、だめよ」

おじさまは唇を離した。

一度刺激を受けた乳首からはまだ母乳が噴き出て、おじさまの口元を濡らした。

慌ててタオルで拭う私の唇におじさまが接吻をくれる。

ミルクの甘い香りが鼻腔をくすぐった。

ねっとりと甘いキャンディのようなキスを、しばらく味わった。

「疲れているだろうから、今日はもう帰るよ」

「いやよ。抱いて…私、ママになれて嬉しい。…でも」

今まで自分自身も気づいていなかった心の奥底に沈んだ思いが、おじさまを前にしてこぼれ出た。

「おじさまが愛してくれたこの体が、どんどん変化してしまうのがこわいの。このままだと、おじさまの心と体が、私から離れてしまいそうで」

本当は不安でいっぱいだった。

真夜中に授乳をしながら、寝静まる街の静寂が体にまで染み渡るような孤独感。赤ちゃんをちゃんと育てて行かなくちゃという緊張感。

それらの想いがとめどなく流れる川のように体の外に出て行くような心地がして、気が付くと私の頬は涙で濡れていた。

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