孤高の帝王は純粋無垢な少女を愛し、どこまでも優しく穢す
第4章 参観日
「世界?」
「とにかく食べてごらん。どれも違って、でも全部美味しいから」
おじさまは言ってプラスチックのスプーンで真ん中のアイスを掬うと、私の口元に近づけた。
私は口を開けてスプーンの先を咥えた。
そうやっておじさまは一つ一つの味を私に試させた。
爽やかな香りのミント味、甘酸っぱいフルーツの味、ねっとりと甘いキャラメル味、ほろ苦さが引き立つチョコレート味。どれも違ってそれぞれに美味しい。すべての種類を並べると、そのことがよくわかった。
───物事のひとつひとつに必ずいい部分はある。一人一人の人間に、必ずいいところがある。
おじさまはそういう考えを持った人だった。
だから誰のことも恨んだりしないし、偏見を持って見るようなことも、ひどい仕打ちをされて見捨てるようなこともなかった。
できる限りありのままの相手を受け入れようとする寛容さに満ちていて、おじさま自身も自分のありのままを素直に受け入れるような、根底に自由な心を持った人だった。
「とにかく食べてごらん。どれも違って、でも全部美味しいから」
おじさまは言ってプラスチックのスプーンで真ん中のアイスを掬うと、私の口元に近づけた。
私は口を開けてスプーンの先を咥えた。
そうやっておじさまは一つ一つの味を私に試させた。
爽やかな香りのミント味、甘酸っぱいフルーツの味、ねっとりと甘いキャラメル味、ほろ苦さが引き立つチョコレート味。どれも違ってそれぞれに美味しい。すべての種類を並べると、そのことがよくわかった。
───物事のひとつひとつに必ずいい部分はある。一人一人の人間に、必ずいいところがある。
おじさまはそういう考えを持った人だった。
だから誰のことも恨んだりしないし、偏見を持って見るようなことも、ひどい仕打ちをされて見捨てるようなこともなかった。
できる限りありのままの相手を受け入れようとする寛容さに満ちていて、おじさま自身も自分のありのままを素直に受け入れるような、根底に自由な心を持った人だった。