孤高の帝王は純粋無垢な少女を愛し、どこまでも優しく穢す
第17章 家庭教師・1
=Reika=
雅紀おじさまは、私を愛してくれていた。同時に奥様も、スミレちゃんのことも愛していた。
当時の私にとって愛すると言う行為は日常生活のあらゆるところに漂っているような、境界線を引けぬとても曖昧なもので、色々な場所で、色々な人との間にあるものだと思っていた。
だから、おじさまが3人の人を同時に愛することは普通のことで、それは家族の中でお父さんが家族全員を愛していることと違いがないように思えていた。
おじさまは他の女性たちとも肉体関係を持っていたから、好きだと思う相手と、愛情表現の一つとして抱き合ったり触れ合ったり体を重ねることも、私にとってはごく自然なことだった。
だから大好きな美晴とも肌を触れ合わせたし、御藤先生も私を愛してくれたことも、ただただ嬉しいことだと思った。
中学一年の二学期、期末テストが終了したころ、御藤先生はいつものように個人指導を終えると、突然家庭教師を辞めるつもりだと私に伝えてきた。
「急に、どうしてですか」
「他の仕事をすることにしたよ」
「どうして、私に勉強を教えるのがいやになってしまったの?」
「そうじゃない」
御藤先生は言葉に詰まり、困ったように微笑んだ。
「なら、辞めるなんて言わないでください。私御藤先生がいなかったらきちんとお勉強ができない」
「そんなことはないよ。もう君は自力で学べる力も付いている」
「そんなことないです。私はこの先もずっと先生に教えてもらいながら勉強がしたい。先生のことが大好きだから。お願い、先生私を嫌い?」
「好きだよ…だからこそ、無理なんだ」
「先生…好きだから無理って、どういうこと?」
「教え子を好きになっちゃうなんて、いけないことだ」
御藤先生は目を伏せて、途切れがちに言った。
「どうしていけないんですか」
「きみはぼくにとって勉強を教えるための存在なのに、日に日に君の存在が僕の中で大きくなってしまってる。夢にまで、君が出てくる。そんな男が、そんな気持ちを隠したまま、これまで通りに勉強だけを教えるために君とこの部屋で二人で過ごすなんて、だめなんだよ」
「好きなら、私とこの部屋で一緒に過ごすのは楽しいことではないの?」
「いや、かえって拷問だよ」
「拷問だなんて、私は先生にひどいことは一つもしていない」
雅紀おじさまは、私を愛してくれていた。同時に奥様も、スミレちゃんのことも愛していた。
当時の私にとって愛すると言う行為は日常生活のあらゆるところに漂っているような、境界線を引けぬとても曖昧なもので、色々な場所で、色々な人との間にあるものだと思っていた。
だから、おじさまが3人の人を同時に愛することは普通のことで、それは家族の中でお父さんが家族全員を愛していることと違いがないように思えていた。
おじさまは他の女性たちとも肉体関係を持っていたから、好きだと思う相手と、愛情表現の一つとして抱き合ったり触れ合ったり体を重ねることも、私にとってはごく自然なことだった。
だから大好きな美晴とも肌を触れ合わせたし、御藤先生も私を愛してくれたことも、ただただ嬉しいことだと思った。
中学一年の二学期、期末テストが終了したころ、御藤先生はいつものように個人指導を終えると、突然家庭教師を辞めるつもりだと私に伝えてきた。
「急に、どうしてですか」
「他の仕事をすることにしたよ」
「どうして、私に勉強を教えるのがいやになってしまったの?」
「そうじゃない」
御藤先生は言葉に詰まり、困ったように微笑んだ。
「なら、辞めるなんて言わないでください。私御藤先生がいなかったらきちんとお勉強ができない」
「そんなことはないよ。もう君は自力で学べる力も付いている」
「そんなことないです。私はこの先もずっと先生に教えてもらいながら勉強がしたい。先生のことが大好きだから。お願い、先生私を嫌い?」
「好きだよ…だからこそ、無理なんだ」
「先生…好きだから無理って、どういうこと?」
「教え子を好きになっちゃうなんて、いけないことだ」
御藤先生は目を伏せて、途切れがちに言った。
「どうしていけないんですか」
「きみはぼくにとって勉強を教えるための存在なのに、日に日に君の存在が僕の中で大きくなってしまってる。夢にまで、君が出てくる。そんな男が、そんな気持ちを隠したまま、これまで通りに勉強だけを教えるために君とこの部屋で二人で過ごすなんて、だめなんだよ」
「好きなら、私とこの部屋で一緒に過ごすのは楽しいことではないの?」
「いや、かえって拷問だよ」
「拷問だなんて、私は先生にひどいことは一つもしていない」