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孤高の帝王は純粋無垢な少女を愛し、どこまでも優しく穢す

第22章 破瓜

羽月は子供のように手のひらで涙をぬぐいながら声をあげて泣いた。

処女である中年の女性に、思いを寄せる男の愛人、しかも少女に性教育を施せと言うのはあまりにも残酷な行為だった。


「羽月…だから御藤に性教育を任せたのか」

羽月は顎を震わせながらうなずいた。

「心のどこかで、お嬢様と御藤先生が結ばれれば、社長が目を覚ますんじゃないかと」

「嫉妬心からだったと?」

羽月はうなづき、背を向けた。両腕を抱えて丸めた背中が震えている。

「こんな姿を見せてしまったら、もうここでは働けません。やめさせてください」

「ああ…もっといい処遇の転職先を用意する。本当に済まない」

私は羽月の前に回り込み、深く頭を下げた。

御藤と黎佳を陥れたのは彼女だと言うのに、御藤に対して感じたような激しい怒りはなかった。

それよりも、長年感情を抑えて仕えてきた羽月に対し、無意識にしていた仕打ちを思い、申し訳ない気持ちが頭をもたげる。

「社長…お願いです。頭を下げるくらいなら…最後に、私を女にしてください」

羽月は、少女のようにひくひくとしゃくりあげながら言った。握り締めた両手が震えている。

私は内線で秘書室の羽月のアシスタントに連絡した。

「これから3時間ほど、面会を断ってくれ。入室はしないで欲しい。それと、柏木法律事務所に面談のアポを。できれば今夜。優秀な秘書を一人紹介したいと伝えてくれ」




「さあ、おいで。今から僕と君は男と女だ。仕事のことは抜きだ」

私は羽月を抱き上げ、社長室のとなりの休憩室のベッドに彼女を横たえ、震える頬を撫でた。

硬くなった体を溶かすように、甘く接吻する。

唇を柔らかく舐め上げながら肩を撫でるうち、羽月の凝り固まるような体の力が緩んでいく。

彼女の肌が温まり始め、呼吸が深くなったところで、ジャケットとブラウスのボタンを外す。

美しいレースのブラに包まれた、白くほっそりとした肢体に、私はかすかな感動を覚えた。この美しい肌を、ずっと誰にも触れさせることなく、私を待ち続けていたとは。

ふいにこみ上げる愛おしさに押されるように、また接吻する。

ゆったりと舌を挿し入れると、舌先が小刻みに震え出し、再び緊張を伝えてくる。

私は彼女がリラックスできるように、額に接吻しながら言った。

「きれいだ。最高だよ。僕はなんて罰当たりな男だ」

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