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いつかの君に感謝を

第7章 夜



「あれ?起きてる。おはよう、調子どう?かなり眠ってたけど」


先生は点滴の調整をしていたみたい。点滴の調整を終えると私の方へと近づいてそう言ってきた


先生は首やおでこ、腕を触ってさりげなく診察をしてくる。私はその手から逃げるように先生を無視して反対側を向いた


「まい?寝起きで嫌かもだけど少し診察させて」


診察…?私が起きた瞬間からしてきてるくせに


いつも通り私が何も答えないのに先生は慣れてるから私の有無を聞かずに軽く診察をしてきた


「胸の音聞くよ、深呼吸して」


私が診察に協力的じゃないのは先生も嫌というほど知っている。先生は布団の隙間から聴診器を滑り込ませて背中から音を聞いている


深呼吸してと言われてもしたくない。でもここで変な抵抗すると診察がただ長くなるだけって学んだから大人しく言うことを聞く



「………スゥ……ハァ………スゥ……ハァ……」


私が数回深呼吸をすると満足したのか先生はぽんぽんと頭を撫でてきた


「次喉診たいから、一瞬だけこっち向いてよ」





しばらく沈黙した後私は先生の方を向いて少しだけ口を開けた


先生は「偉いな〜、少し奥診るよ、ごめんな」とか言いながら木の棒みたいなのを口に入れて抑えてくる。


私が反射で嘔吐いてしまうと先生はすぐに木の棒を抜いてくれた。私はすぐにまた反対側を向いた。


「最後にこの前の処置のところみせて。ちゃんと良くなってるか確認したいから」


この前の処置…?あ、あれか……


「……いや」


先生の前でまた服を脱ぐなんて無理。それも自分から。そんなことよりも早く退院したい


私がずっと動かずにいると先生は諦めたのか何も言わない。


「まい?これ以上抵抗するなら看護師さん呼ぶよ」


………ッ


こうやってまた私を脅してくる


それでも私が無言で動かずにいると先生は私の手元付近にあるナースコールを押そうとした。


私は先生を睨んで先生の言うとおり大人しく布団をどけた


先生はにこっと笑って「よくできました」と言った。その後は「ごめんな、少しだけパジャマずらすぞ」と言ってこの前処置された部分を診察そして消毒と薬を塗った


先生の手のひらの上で転がされている感じが気に食わない。


私は先生の診察が終わるとすぐにまた布団を方までかけて反対側を向いた




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