碧い雨の夜に…
第5章 【不変的に……】
恥ずかしくて言葉には出来ないけど、真っ直ぐぶつけてきてくれるアキラを大事に思うのは事実なんだよな。
違う、付き合ってない、仲の良い男友達、幼馴染、腐れ縁……散々言ってきたフレーズたち。
全部取っ払って私たちらしく居れば良いんじゃない?
そう伝えたかどうかはあまり覚えてないんだけど。
「ちゃんと明日から学校来なよ」
「もう無視しない?いつも通り?」
「うん……しないよ、約束する」
「もう言いたい奴には言わせておこうぜ?俺らがこんなんなる必要全くなかったんだからさ?それ考えたら何か腹立ってきた!それに腹減ってきたし」
「単純……アハハ」
「食べて良い?」
「え、何か作る?冷蔵庫何かあったかな?」
そう言って立ち上がろうとしたら腕引っ張られて引き戻される。
わわっとなった私にキスしてきたのは……やっぱ思い出したくなかったな。
そうだ、私のファーストキスはアキラだった。
しかも不意打ち過ぎて避けきれないやつ。
「はぁ?何してんの?意味わかんないんだけど」
「怒るなよ、今日来てくれて本当はマジで嬉しかったし改めてお前しか居ないって思った」
ちょっと待って、マジな目じゃん。
こんな顔初めて見たと思う。
ていうか、男の顔するんだ、アキラも。
たじろぐ私を腰から引き寄せて、再び顔が目の前にきた。
「何だかんだ言って離れられないよな、俺たち」
「は?調子乗らないでよ、野垂れ死なれたら困るだけで来たの」
「うん、今はそれで良いよ」
「ちょ、離れてよ、近い」
「この距離くらい大丈夫だろ?何とも思ってないんならいけんじゃね?俺ら、ただの幼馴染なんだろ?意識するなよ」
「してないってば、怒るよ?」
「良いよ、怒ってる理世も俺的にはアリアリだからね」
「ねぇ、頭バグったんじゃない?寝てないでしょ?ほら早く寝なよ」
寝かせようと掛けた手もあっという間に阻止されて、両手塞がれてそのまま
「わかったわかった、口数減らねぇな」とか言って2回目のキス。
すぐに後頭部から押さえてきて胸を叩いたけどめっちゃオス化してて。
悪いけど私の中では黒歴史なんだ。
マジでセックスだけは無理。
その先は絶対にない相手。
アキラも魔が差したって後で言ってたし。