碧い雨の夜に…
第5章 【不変的に……】
普通の幼馴染で居たいから二度としないでって釘を差しておいた。
それからしばらくはしてこなかった。
浅い気持ちでずっと縛りつけてる。
相変わらず調子良かったりするけど、私が本気で嫌がることは絶対しないってわかっているから、今さらだけど、こうすることで次の恋愛させてこなかったのかも。
彼氏出来たってどうせすぐ別れるでしょって思ってるだろうし。
その通り、当時はすぐ別れたりしてたんだけど。
やたら告白っぽいのしてくるし断っても何のそのだし。
「俺の人生にはお前が居るんだ、それが当たり前なの、この先何があってもそれだけは絶対変わんねぇ、自信持って言える、俺の中からお前は消えねぇよ、ずっとど真ん中に居る」
酔っ払って言われてもねぇ?
恥ずかしくないのかね。
アキラもモテないわけじゃない。
言い寄って来る子も居たはずなのに全部断っててさ。
バカだね、あんた。
あんな可愛い子振って、何様?
いや、ずっと縛りつけてる私が何様?だよね。
高校の同窓会が20歳の時にあったんだけど、もうその頃には私たちはプロダンサーを目指してた。
「ねぇ、本当にないの?」
「やっと起きた、家もうすぐ着くよ、そのまま起きてて」
無理やり乗せたタクシーでアキラの家に向かってる。
「え、理世ん家?やった〜」とか言ってる。
「違う、アキラの家に決まってるでしょ」って言ったら子供みたいに駄々こねて「お金払うから今から理世ん家向かってもらお?」ってバカじゃん。
本当に誰一人、家に男連れ込んだことはない。
ヤルなら相手の家かホテルだった。
家に行きたいとか言ってくるなら別れる方向にフェードアウトして。
重い身体抱えてタクシー降りてアキラの部屋に到着。
何度か来たから勝手もわかる。
鍵借りて開けたらとりあえずベッドに寝かせた。
お水を取りに行こうとしたら手首掴まれて起き上がってくる。
目を見て思った。
酔っ払って目が据わってるけど時々出てくる雄の目だ。
「お水、飲まなきゃでしょ」
「嫌だ、そのまま帰っちゃうでしょ?タクシー帰らせたのに?もう捕まんないよ?」
「呼べば来るから」
スマホを取り上げられる。
「帰っちゃダメ!」って背中の方に隠すんだ。