碧い雨の夜に…
第2章 【本能的に……】
__そう…なのかな?どちらもメイクしてヘアセットしてもらった後だからいつもと違う自分になれた気がして、求められてるうちはちゃんと応えようと思って
「うん、そう考えられるナオは偉いよ、プロだよ」
__そう思えるようになったのはリセちゃんのお陰
「え、私?何もしてないよ」
__リセちゃんがプロの顔を見せてくれたから気付けたんだ、考えてみればボクは与えられた現状に甘えていたのかも知れないなって……何となく始めたモデルの仕事でも一生懸命やって来たかなって
真剣に話してる顔がとても凛々しく見えた。
何か変わるきっかけになれたのなら嬉しいよ。
お互いを尊敬し合える仲になれたら言うことないね。
ありがとう、なんてこっちのセリフだから。
__リセちゃんはやっぱり格好良い、ボク今まであまり人に興味なかったんだけど、初めてリセちゃんには執着してる気がする……出逢う前なんかには戻れないよ
「あ〜ストップ、ナオ……」
__ん?どうしたの?
画面いっぱい掌で隠してしまう。
顔見せてって……真っ赤なんだけど。
「それ以上言われるともう………ヤバいからやめて?」
可愛く言ったつもりが余計に煽ったみたいで。
他に誰も居ない?と聞かれ頷くと。
画面越しで良いからキスしてと言われた。
これは恥ずかしい。
お願いって可愛く言わないで。
「え、やるの?マジ?」
__うん、チュッてだけで良いから
顔を近付けてナオもスタンバってくれてる。
こんなこと初めてで誰かに見られてたら本当に死んじゃうやつ。
誰も居ないのわかってるのにキョロキョロしてしまう。
意を決して画面越しに見つめ合った。
ゆっくり近付いて目を閉じた。
本当にチュッとして離れる。
え、ガン見じゃん。
目閉じててよ。
可愛い、て凄く嬉しそうに言う。
「もうしないからね」
__えっ!何で?ボクだけの特権でしょ?離れてるの我慢してるのに
「ねぇ、それズルい」
__ありがと、元気出た、またリセちゃんの脱いでった服着て寝ても良い?
「あ〜好きにしてください……」