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カッコ悪い俺ら

第7章 居場所



アパートの部屋の前につく頃には、小走りがダッシュになっていた




息を切らせ玄関のドアノブを、回すと…




鍵がかかっていた





俺は、ドアノブを掴んだまま――――…涙が流れた





利弘…出掛けたんだ……


そう、思ったら



会いたくて、会いたくて走った俺の気持ちが



ポキンと折れた



そして――――…こんな気持ちは不問だと気がつく







俺は、ポケットから鍵を取り出し玄関を開けた










ギィ――――…と、玄関と廊下に響く…虚しい音に




愚問の涙は止めどなく流れる























「―――――――ただいま」






誰もいないが



俺に与えられた居場所




利弘に…居て欲しかったなんて





都合の良いことを考えた自分がバカみたいじゃないか





俺は、玄関で靴も脱がず…うずくまった








ガチャ…


「颯太か?おかえりって――――…お、おい!颯太!!どうした?何か、あったか?」





すると、リビングの扉が遠慮がちに開き




リビングから利弘が顔を覗かせた







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